プキ日記

2011年 6月 27日の投稿一覧

お見舞いに来てくれたのに・・・

宮古空港でプキを預けたらここで気持ちも一区切り、とはいえ現実にはそうはいかなくて、だけども今日からお客さんがやって来るから頑張らなきゃ。

そんなプキのいなくなったプキの家にやって来た一番目のお客さんは、お久しぶりのナオちゃんです。プキのために手紙やお守りを贈ってくれたナオちゃん、メールや電話ではどうしても伝えることが出来ず、プキが天国へと旅立ったことを知らぬままお見舞いにやって来てくれたから、会わせてあげられず本当に申し訳なくて。

そんなナオちゃんにまずは前回来たときに忘れていったモモちゃんの服を、メグミさんから・・・

お返ししております!

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なかなかプキのことを言い出せなくて、だけどナオちゃんからもプキは大丈夫なのという問いかけもないまま次のお客さんを迎えにいかなきゃならない時間になって、なのでメグミさんが車走らせ出発したら僕が重い口を開け、実は24日にプキが亡くなったこと、そしてそれをどうしても伝えられなかったことを話すと、ウソ!?って言ったとたんにポロポロと涙が溢れ出すナオちゃん。

どうしてすぐにプキのことを聞かなかったのかと思ったら、入ってきたときに小さく ワン!ってプキが泣く声が聞こえたような気がしたんだそうで、だからお部屋でゆっくりしてるんだろうと思ったみたい。しばらくしてお客さんを乗せた車が帰ってきたら、ナオちゃん涙拭いて拭いて!って、プキの家はもちろん宮古島に来るのも初めてというお客さんだから、いきなり宿のオーナーとお客さん揃って涙してる姿を見せるわけにはいかないもんね。

とはいえそんなことが気づかれずに済むはずもなく、だけど日記を見ていてくれたから車の中で プキちゃん大丈夫ですか!?って聞かれたらしく、全ての事情を話し到着したら僕らが泣いてるかもしれないと思っていたみたい。そんな本日二組目のお客さんは、初めての宮古島を楽しみにやって来たタエちゃんです。彼女もまたワンコを飼っていて今で3頭目ということなので、ワンコを亡くす悲しみは分かりますと言ってくれて、プキがいなくなって最初のお客さんがこのお二人さんで本当に良かったなあと思うのでした。

ナオちゃんからは東京の有名店のお菓子を戴きましたが、2年ぶりにやって来てもボケキャラっぷりは相変わらずで、どんなお菓子なのって聞いたら パッサパサのやつ!って・・・さらには工場で作ってるみたいだけど手作りだと思うよ、ロボットの手かもしれないけど!そして最後には パサパサっていうか口の中の水分全部持っていかれるみたいな!?って自分で持ってきたお土産になぜそんなコメントしか言えんかね。温厚なヨロイズカさんも怒っちゃうよ!?

一応フォローしておくと・・・

美味しそうですよ~!

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だけど彼女自身全く悪気も悪意もなく、ただ言葉のチョイスが間違ってるというか、手の施しようがないほどの天然だという他ないのです。

そしてこちらタエちゃんから戴いたお土産は、隣の県の名物ですが・・・

こちらはシットリ!

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いやいやあっちもシットリですから。

明日からダイビングにシュノーケルにとスケジュールびっしり詰まってるタエちゃんは、初日ではあるけれど今夜しかないということで街までお土産買いに出かけ、初日から最終日まで仕事がびっしり詰まってるナオちゃんは、早速ノートパソコン開いてせっせと働いております。

プキがいなくなったプキの家、以前は想像もできなかったし想像したくもなかったけれど、こうやって現実のものとなってしまいましたがお客さんにも恵まれなんとか無事スタートを切ることができました。プキのことを心配してお見舞いに来てくれたナオちゃんにその姿を見せてあげることが出来ず本当に申し訳なかったけど、これからは気持ちも新たに頑張っていきますので・・・

みなさん笑顔で遊びに来てね!

プキちゃんバイバイ

最後の夜をプキを真ん中に川の字で過ごし、そしてお別れの朝がやってきました。

宮古島ではペットの葬儀・火葬をしてくれる施設がないので色々調べたり先生に聞いたりして沖縄本島へ飛行機で送り届けてお願いすることになったので、そのための準備をしています。

タオルに包んだプキをそっとケースに入れたらみんなから戴いたオモチャをひとつひとつ言葉をかけながら入れていき、メグミさんが作った介護用の服も、それから天国でもプキちゃんが幸せでいられるように戴いたお守りも、そして皆さんから戴いたお手紙の数々に、それからプキと一緒に三人で撮った写真もメッセージを書いて。まるで眠っているようなプキの顔の周りに摘んできたハイビスカスやブーゲンビレアを飾ったら、プキが大好きだったオリオンビールを小さなボトルに入れて。

その前にボトルのキャップを外したらプキの口元へ。少しだけ口に含ませてあげると今にもペロペロと舌を出してキラキラの瞳で嬉しそうな顔するんじゃないかと思うくらい、顔といい毛艶といい死んじゃったなんて思えなくて、まだ10歳、元々子供っぽい顔だったプキだから老犬なんて感じは全然なくて、病気さえなかったらまだまだ元気に生きられたのに、まだまだずっと一緒にいられたのに。

だけどそろそろ行かなきゃ、最後にタオルを掛けてあげて箱を閉じなきゃだけどどうしてもできなくて、湿った口元に手を当て鼻を撫で頬を撫で目を撫で耳を撫で、プキちゃんカワイイね、プキちゃんありがとね、プキちゃん大好きだよ、プキちゃん、プキちゃん、プキちゃん・・・

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何度も何度もためらって、最後は泣きながら封をしたら、後部座席に乗せ車を走らせます。

慣れ親しんだプキの散歩道を順番にまわり、それから空港へ。車から降ろして預けたらもうそこでお別れだから、最後にもう一回だけ顔見る?って聞いたら泣いちゃうからもういいって。だけど開けてもまた封が出来るようにガムテープ持ってきたよって、それじゃあちょっとだけって。

一度閉じた箱をまた開けて、プキの顔をその目に焼き付けるように、だけどその顔は涙で滲んでそれはもうどうしようもなくて、最後のお別れの言葉は「プキちゃんバイバイ、またね」そう言ってプキとお別れするのでした。

「またね」はいつのことなのかわかりはしないけど、またいつかどこかで逢えるような、そんな気がしてならないのです。

プキは我が家にやって来て、そしてこの島にやって来て幸せだったんだろうか。今となってはそれを聞くこともできないけれど、きっと幸せだったよね。だって僕らはプキのおかげで幸せだったもの。プキがいなければプキの家はなかったし、プキのおかげで出会えたたくさんの仲間、宝物が僕らの周りにいっぱいあるもの。

僕とメグミさんの結婚生活のほとんどを、そして島暮らしの全てを、もちろんプキの家のすべてを一緒に過ごしてきたプキ。周りを笑顔にした分だけ自分たちも笑顔になり、周りを幸せにした分だけ自分たちも幸せを感じられる、そんな暮らしをしてきた僕らだから、僕らよりもっともっとみんなを幸せに、そして笑顔を与えてきたプキだから、きっときっと幸せだったはず。

どうか僕らのことを忘れないで、僕らもプキのこと、いつまでもいつまでも忘れないよ。心はずっと一緒だからね。

プキちゃんバイバイ、またね