嵐の夜は明け、ハーリー本番の朝がやってきました。なんとか天気は回復してくれたものの、まだ風は強く絶好のコンディションには程遠い感じ。まあレース自体はみんな同じ条件なので問題ないけどね。

そんなわけで準備が出来たら会長の家に集合して、みんな揃って港へと向かいます。まずは僕らの出場する職域レースの前に御願ハーリーからスタートです。昨日ほどではないものの、まだ波の高い状態が続いていて沖からの風も強くなかなか厳しそう。それでもいずれ劣らず精一杯の漕ぎを見せる4隻の舟に、みんなで声援を送ります。

ガンバレ~!

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それではいよいよ職域レースのスタートです。16チームで争われるこのレース、4艇ずつで予選を行い各組一位が決勝へ進むことが出来ます。我があすくん浜の会はいきなり第1レースということで、今年こそ3年ぶりの優勝をと気合も充分乗り込む準備をしてますが、御願ハーリーを漕いできたコウジさんが早くもビールを飲もうとしてるので レースが終わるまでダメだよ!取り上げてクーラーボックスに入れ、代わりにお茶を。これで一安心と思ったら、大変なことに気付いた!

カメラマンがいない・・・

朝から来ていた小ミキさんは用事で一旦家に帰っちゃって、この予選には間に合いそうにもないし、朝から応援に行くからと電話があったミサさんの姿も見えないし。これは最後の手段と残念ながら今回補欠の補欠となったカオルさんにカメラを託し、いざ出陣。

出場4艇の内ライバルは隣の35年生チームだなとマークしながら、号砲と共にレースがスタート。昨日大荒れの中で練習したのが効いてるのか、今日の波程度では全然気にもならず、全力で漕いでるもののなんだか腕が軽い。折り返しまでは横に舟の気配を感じながらのレースだったけど、頑張って練習したターンもバッチリ決まり、後半はひたすら必死で漕ぐのみ。断片的に聞こえてくる 黄色黄色、あすくん浜の会!という放送席からのアナウンスで勝利を確信。最後はゴール手前で会長の手が止まり、余裕の勝利かと横を見たら、隣の舟が視界に入らないほどの圧勝!

大喜びの応援団に囲まれながら喜びに包まれると同時に、決勝へ行けるという安堵感が。精一杯戦った仲間一人一人とガッチリ握手、そしてカオルさんとも。

ところが・・・

一枚も写真撮ってないやん!!

撮ってないどころかどこかへ置いて持ってさえいないし。だけど僕の人選ミスということで怒る気にもなれず、まあ唯一の救いは決勝まで行けたことだね。負けてたら本当に一枚も写真無しだったからね。

次からのレースも知り合いの応援や決勝で当たるチームを見たりしてますが、真っ直ぐ走れず隣の舟のドテッ腹に突っ込む舟や、バランスを崩して・・・

転覆してるし。。。

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さすがに各組一位になるチームはどこも強豪揃いで一筋縄ではいかないだろうけど、今回はなんだか負ける気がしない、舟を降ろしてから一日も欠かさず練習してきたからね。

今度こそちゃんと撮ってもらおうとエミにカメラマンをお願いし、遅れてやって来た小ミキさんもいるのでダブルで安心ということで、この勝負に全部ぶちまけるぞと気合いを入れて・・・

頑張るぞ~!!

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さあいよいよ泣いても笑ってもこれが最後、アドレナリン出まくりのなんともいえないこの高揚感を味わいながら、心ひとつにスタートの合図を待ちます。

この緊張感がたまらんね~!

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合図と共に各艇一斉にスタート。最初っからフルパワーで漕ぎ続け、あっという間に折り返しの旗が目前。横を見ないよう自分の漕ぎに集中はしているものの、微かに隣の舟が視界に入り、接戦であることをヒシヒシと感じます。折り返しまでは若干リードを許す厳しいレース展開だけど、ここからが練習の成果を発揮するところだと後半掛け声もより一層激しく漕いで漕いで漕いで、腕が千切れるほど漕いで・・・

ヤッタ~ッ!!!

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わずか半挺身の差で勝利、歓喜の応援団と喜びを分かち合いながら、皆もう上がらない腕で櫂を突き上げガッツポーズ。

抱き合い、ガッチリ握手をし、踊り、それぞれの表現で喜びを爆発させたら、観客の前をウイニングランをしながら舟を港の反対側へ移動。そこでみんな揃って・・・

やったぞ~!!

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舟から降りると荷物や草履を取って舞台の方へ移動。するとコウジさんが、ヒロユキ、もうビール飲んでもいいか!?って・・・・もう好きなだけ飲んでもいいよ!っていうか僕に了解を得なくてもいいのに可愛いヤツよのう副会長。

というわけで・・・

カンパ~イ! 

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僕らが乾杯してる頃、移動の途中で会長とメグミさんは新聞の取材を受けていて、沖縄タイムスだということなので明日の朝刊楽しみにしてますよ!

舞台の横では地元久松の海人達が、獲れたて新鮮な魚を捌いて刺身を振る舞ってます。

豪快だね!

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カツオもシイラも赤マチも、どれも美味しかったぁ!

舞台では舞踊や相撲、獅子舞などが次々と登場し、会場を湧かせてます。そして喜びに沸く浜の会メンバーは三線のリズムに合わせて舞台の方へと踊りだし・・・

歓喜の舞いを! 

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最後は優勝賞金を受け取りに。誰が行くの!?僕が聞くと、もちろん俺が行くさ!とコウジさん。その辺ちゃっかりしてるよね。

有り難く頂戴いたしました!

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ステージが終わったら会長の家に場を移し、優勝祝賀パーティーへと突入です。今日漕いだメンバーはもちろん応援の人達、そして祝福に駆けつけた人達、たくさんの人が入り乱れる中、それぞれの想いを込めたオトーリが回り続けています。

ではメグミさんからもオトーリを!

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もちろん三線も持ってきて、僕とタケさんとで盛り上げながら、そして今日は一緒に漕いだメンバーマサムネの18回目の誕生日。はじめて出場したハーリーで優勝し、しかもそれが誕生日だなんて、きっといつまでも忘れることのない良い思い出になったね。

おめでとう!

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今回ハーリーに出場した選手の中で、女性はメグミさんただ一人、そして高校生が乗ったのもマサムネただ一人。さらには今回はじめて舟を漕いだメンバーが3人も。周りは屈強な島の男達ばっかりという中で浜の会が優勝できたのは、やっぱり練習の成果と心ひとつに漕げたチームワークのなせる技と言わざるを得ません。

そしてここにもはじめて漕いだ男がひとり・・・

力尽きております!

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僕の誘いで体験のつもりがいつの間にかメンバーに選ばれ、初出場でまさかの優勝を果たした海坊主さん。嬉しさと疲れとオトーリの洗礼でダウンしてるところを、後で迎えに来る小ミキさんに報告するためムービーで撮影しております。

日が落ちる頃、プキの家へと帰る途中もフラフラと真っ直ぐ歩けない海坊主さんとメグミさんを気に掛けながら、またムービーで撮影してる僕。すでにお昼前から8時間は飲み続けてるっていうのに不思議と今日は大丈夫、さすがに周りがこれだけ酔っぱらっていたら酔えないということなのかな。

まあ何はともあれ今回は念願の3年ぶりの優勝といううことで、皆さんに良い報告が出来たことを嬉しく思います。

また来年も頑張りますよ!